今のところ、「持続可能な観光」も「エコツーリズム」も世界統一の定義はありません。これだけで論文が書けるくらい、考え方はまちまちです。
下の表は、シンプルでわかりやすいのでここで紹介します。
他の本で違った図表を見てもびっくりしないで下さいね。
David A Fennell 「エコツーリズム イントロダクション」(1999年)より引用
注)AT:Alternative Tourism オルタネーティブツーリズム
(大衆観光に代わる)もうひとつの観光体系
上記の図をもとに、下の表を作成してみましたので参考にしてください。
ここに提示した以外にもさまざまな問題が考えられますので、一緒に考えてみましょう。
マスツーリズム
(大衆観光)非持続可能な観光 ◆大規模開発・利益優先。
◆環境、住民生活に与えるマイナス影響を考慮しない。
◆業者にのみ利益がいくような経営フロー。
◆観光客の質より量を重視。
持続可能な観光 ◆ゴミのリサイクル、水質汚染防止などの環境問題に取り組む。
◆ゲストに情報を与え、環境や地元住民への配慮を促がす。
◆景観に配慮し、地元特産の材料を使用したり、ソーラーパネルなど省エネをとりいれたエコロッジ建築など。
オルタネーティブツーリズム
(大衆観光に変わるもうひとつの観光)社会文化的観光
(遺産観光やファームステイなど)自然生態観光
非持続可能な観光 ◆住民とのトラブル。
◆建造物を傷つける。
◆異文化を理解しない。
◆生態系に配慮しない。
(植物を無断で持ち帰ったり、カメラのフラッシュで動物を驚かすなど)
◆ゴミを棄てないのは言うまでもないが、トイレすら環境破壊になることも。持続可能な観光 ◆住民参加型。
◆観光収入が地元経済に平等に分配還元される。
◆外部から評価されることにより、伝統文化の保存やアイデンティの再発見。◆プロのガイドがツアーに同行し、ゲストへ行動指針を示したり、環境モニタリングが行われている。
◆観光収入が自然保護のため役立てられる。
注)上の表、水色部分が理想のエコツーリズムといえるでしょう。
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